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________________ LAKSANAの機能対象 LAKSYARTHA (11) (小林) 35 sambandhena pravrtti)と解し14), 2.10 suddha に対立するカテゴリー, <upacara を混えた laksand> を,gauni すなわち <類似関係に基づく laksana> とする15)。こ の解釈にとって非常に都合のよいことは、SAR.-SADH. の下位亜種として, 2.12 に おいて gauni と対立する suddha に, 2. 10 の suddha と同一の概念 (類似以外の 関係に基づく場合であること)を与え得るということである。これで,同一の術語が同一 のカテゴリーを示すという論述の原則に基づいて karika を理解することができよう。 Gov.の解釈による Laksana 分類を図式化すれば次の通りである。なお, laksana の 種類が六つだということは,karika に明記されているから、どうような解釈をとっても, 亜種の総数を変えることはできない。 そこで彼は、 後にも述べるように, upadana と laksana をそれぞれ saropa および sadhyavasana の二亜種に分けている10)。 laksana suddha (upacarenamisrita) gauni (upacara-misra) upadana laksana saropa sadhyavasana saropa sadhyavasana saropa sadhyavasana ところが一方では, この分類図式に従うと, vrtti の解釈のみに関しても,一つの矛盾 が生じる。 2.12 の vrtti には, suddha SAR. =S ADH. として,≪結果と原因の関係(karyakarata-sanbandha) に基づく場合の外に,五つの ≪関係(sanbandha) に基づく場 合があげられている。すなわち、 一“kva cit tadarthyad upacarah" (ある場合には, tadarthya (用途関係)に基づく upacara がある)――等。(40, 41頁参照) ここで tadarthya というのは,くあるものと,それの為に使用されるものとの関係> であり,たとえば,“indra" という語を,『インドラ礼拝用の柱』 という意味に用いる場 合である17)。したがって,ここで用いられている upacara という術語は,<類似以外の 関係>に基づく場合を示している。ところがGov. は, 2.10 vrtti の upacara を、<類 似関係に基づく場合> と規定したはずである。 したがって,彼のこの概念規定に従って 2.12 vrtti の upacara を解釈しようとすると,矛盾が生じる。 近代のサンスクリット注釈 Bilabodhini は, laksana 分類に関してGov. に従ってお り, 2.10 v. および 2.12 v. の upacara をそれぞれ異義用法だとして,問題の矛盾を解 決しようとする18)。Bb. はここで, upacara に極めて広い概念を与えているKamalakarabhatta や Prabha の著者の定義を引用している19)。 これに従うと, 2.12 v. の upacara は, laksanaの同義語にすぎず, 2.12v. の upacara のように限定された概念 を表わすのではなく,もっと広い概念 <転義法による意味表出> 一般を示すことになる。 このように解せば,二つの upacara の用例に関する Gov. の矛盾は,一応解決されるこ とになろう。
SR No.269360
Book TitleLaksana Laksyartha
Original Sutra AuthorN/A
Author
Publisher
Publication Year
Total Pages24
LanguageEnglish
ClassificationArticle
File Size2 MB
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