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________________ インド学試論集1 て, SADH. LAK. と SUD. LAK. との差異を指摘している。 [SADH. LAK. と は,二つの意味が,それぞれ, ]≪重置の対象(aropa-visaya) と くその上に置かれ るもの(aropya visayin)との関係にあって,二つの意味の間に]差異が存在する場 合に、[その二つが]極めて近いものとして,その同一性が理解される場合である」とい い,さらに「SADH. LAK. の場合は,まず差異の理解があり,その後で同一性が理解さ れる」10)という。このように、意味機能 SADH.LAK. が発効して意味表示が行われる 場合は、二つの意味を, visayin および visaya として明確に区別した上で,同一の記号 (語) を通して,重り合った観念としてとらえるという操作が,聞き手の意識の中で行わ れるのである。 これに反して,「[SUD. LAK. に属する] upadana の場合は, <aropya visayin と dropa-visaya> という「対立」関係が存在せず,同一性が本来的に (mula-tas) 理解さ れる」11)という。 SADH.LAK.の場合は、差異の理解を前提として,同一性はその後 で理解されるが,upadana の場合は, この同一性が,本来的に直接に理解されるのであ る。そこで、「これら二つの場合 (kuntah pravisanti" と "gaigayam ghosah") にお いては,āropya visayin と aropa-visaya との「対立」関係に対して,意識が働かな い」12)のである。 2 SUDDHA < suddha 第三章で示した KP karika の laksana 分類は,次のような図式で表わされる。 laksana (2.9) SUDDHA (2.10) SAROPA (2.11) SADHYAVASANA (2.11) upadana laksana gauni suddha gauni suddha (2.10) (2.12) (2.12) ここで一つの疑問が起こる。SUDDH A と suddha (すなわち, kar. 2.10 の suddha と kar. 1.12 の suddha) がそれぞれ別のカテゴリーを示すなら、なぜこのように同じ語 を用いて混乱を招くようなことをしたのか。この二つは、はたして全然別のカテゴリー を示すものなのか。少くともこの点に関するかぎり, Govindathakkura の注釈から,明 快な統一解釈が得られる。 ところで KP の vrtti は,第一類 SUD. LAK. の語義を説明して,「upacara を混 合していないから(upacaramisritatvat), Suddha (清浄)というのだ」13)としている。 そうすると SUD.LAK. は, upacara を排除することによって,自らのカテゴリー領域 を形成していることになる。 では SUD. LAK. に対立するカテゴリー <upacara を混 えた laksand> とは何か。 Gov. はこのupacara を,く類似という関係に基づく語義発動> (sadrsy'-akhya
SR No.269360
Book TitleLaksana Laksyartha
Original Sutra AuthorN/A
Author
Publisher
Publication Year
Total Pages24
LanguageEnglish
ClassificationArticle
File Size2 MB
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