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________________ インド学試論集1 (上の引用は筆者の記憶による)。実際、ヨーロッパ仏教学者の研究はすべて Bibliographie bouddhigue の恩恵にあずかっていると言ってよく、ことに同誌は,山口・長尾両教授の 御協力のおかげで,我々にとり日本の出版物を知る最上の手だてとなっている。 L'Inde classigue の中で、インド仏教に関する章を鮮かにまとめられたコレージュ・ ド・フランス教授 J. Filliozat氏は,ポンチシェリーの「フランス印度学研究所」を創 設し、また「フランス遠東学院」(EFEO) の所長に再任されて以来,学術行政の劇務に忙 殺され、他方また仏教研究からは遠ざかって、むしろタミール文化と南日の諸宗教の方面 に向われるようである。とはいえ、前記ポンプシェリー研究所の図書には仏教関係のもの ももちろん収められているし、さらにセイロンに近いことを思えば,同研究所はセイロン 仏教の研究にも一つの基地となり得ようか。事実, Filliozat, Demieville 同教授の門下 で現在パリの「高等学術研修学院」教官である A. Bareau氏は,ポンポシェリーから 発ってセイロンに赴き、同国仏教の組織を現地で調査したが、調査結果は『フランス度 学研究所叢書』に発表されたのである。2) Bareau 氏はさらに、中国資料による原始仏教 の研究を,従前どおり継続している。 Demi@ville 門下のJ. Gernet 氏は,現在ソルボンヌ教授であるが,学位論文の一つを 出版した。この書は,発見・参照・解釈ともに極めて困難な種類の一次資料に対する同氏 の稀に見る造罰の深さを物語っている。23) ただ仏教学にとって遺憾なことには,Gernet ', 氏は次第に中国社会の純経済学的研究に移りつつある。 名前ははなはだアングロサクソン的であるが, L. Silburn 女火もまた, パリ学派の一 員であって, L. Renou, P. Mus 両氏の門下,現在「高等学術研修学院」の教官である。 女史の学位論文は,すでに48年,審査を通過したのであるが, それがようやく 55 年にな って上梓された。24)この著作には,ブラーフマナ文献と原始仏教並びに後期仏教 (Dignaga とその一派) 思想との関連について、鋭い洞察が込められており, Mus 氏の一さ らに同氏を介してS. Levi の薫陶が看取される。実に密度の高い労作で,本稿の筆者 はスイスの学術誌 Etudes asiatigues に,この書について多少とも詳細にわたる紹介の稿 を草したが,近く掲載されるはずである。 フランス文化圏の諸国は、パリ学派に参劃寄与するところが多いが、特に大乗仏教の研 究の場合がそうである。 ベルギーには、ルーヴァン大学教授、教会参事会員 E. Lamotte 師があり, Poussin がガンに創始した偉大な学統を継いでおられる。出版進行中の教授の記念碑的二大作一 『大智度論』訳25)と『インド仏教史(26) に加えて Lamotte 師は現在,同師が「最も 美わしい大乗経典」と見なされる『維摩経』を訳出中で,この秋に出版の予定,あるいは チベット本の校本が添えられるかも知れない。 Lamotte 師はまた華厳経方面にも関心を 寄せられている。教授の若い門下生の一人 H. Durt 氏が現在京都におられるが,以上の 情報は同君に合うもので、ここにあわせて御礼申し上げたい。Durt氏は原始仏教を専攻, 先般の東方学会主催,国際東方学者会議で研究発表をされた。27)
SR No.269360
Book TitleLaksana Laksyartha
Original Sutra AuthorN/A
Author
Publisher
Publication Year
Total Pages24
LanguageEnglish
ClassificationArticle
File Size2 MB
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