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________________ 40 インド 学試論集1 ここでvrtti の意図するところが何であろうと、結果的には, suddha における ≪隔離 性> が否定されることになり,<意味構造の重複性有無> に基づくカテゴリー区分に 関心が向けられなくなる。 それに代って,<本来の意味との結びつき> という分類基準 が最も重んじられ, Suddha-gauni の対立を最高位に置く Pd. の図式が可能になる。 ちなみに、問題の vrtti を引用すれば、次の通りである。 [upadanas ca laksanas ca, ) ubhaya-rupa ceyam suddha, upacaramisritatvat. anayor bhedayor laksyasya laksakasya (=vacyasya) ca na bheda-rupam tatasthyam.29) ここでvrttiが,意識的に, karikāとは違った見地から,分類図式を打ち立てようとし ているとは断定できないだろう。vrtti が, upadana および laksana における tatasthya を否定したのは、ここで laksana の一般的性格を確認したにすぎないと云えよう。 Mukulabhatta の主張する upid%3Dlak.sar.ssadh.間の差別根拠を,直接に否定した のではないのであろう。しかしながら,少くとも,この vrtti は,後代注釈者の関心を, suddha-saropa の対立からそらさせる要因 となっている。 たとえば Pd. は, "na bheda-rupam tatasthyam" という vrtti を注釈するにあたって, laksana の一般的性 格の確認という立場から全く逸脱して, suddha-saropaの差別根拠そのものを否定するに 至っているのである。すなわち,「saropaには abheda が理解され, suddha には bheda のみが理解される」という見解は誤りだとしている30) . したがってこのことから当然,, suddhalaksanaに対立するupacara-misralaksanaを、<abheda が理解されるsaropa laksana とはせず,く類似関係に基づく gunilaksand>と解することになり,さらに upacara を,「類似関係に基づく語義発動」と規定することになるのである。 そしてここ に, karika の分類図式とはかなり異なる図式ができあがるのである。 4 類似以外の関係に基づくlaksana(附) 以上論じたことから明らかなように, KP karika の図式において第二類および第三類 の下位亜種とされている suddha SAR. =SADH.LAK. は,一方では SUD. LAK. に 対立する SAR. -SADH.LAK. に包括され,他方では upad.=lak. と共に,一つのカ テゴリー <類似以外の関係に基づくlaksana> を形成して, gauni laksana と対立する。 第三章でこのカテゴリーを論じたときは, ≪原因結果の関係≫(harya-karana-sanbandha) のみをあげたのであるが,KPv. はその外に、次のような四つの sambandhaを 教えている。 a) tadarthya (用途関係) ""indra" という語が,『インドラ礼拝用の柱』(indrartha sthund)という意味に用い られることがある31)。 『インドラ神』 - 『インドラ礼拝用の柱』 <話者の意図>:礼拝用の柱も, インドラ神そのものと同じように崇敬さるべき てと。
SR No.269360
Book TitleLaksana Laksyartha
Original Sutra AuthorN/A
Author
Publisher
Publication Year
Total Pages24
LanguageEnglish
ClassificationArticle
File Size2 MB
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