SearchBrowseAboutContactDonate
Page Preview
Page 22
Loading...
Download File
Download File
Page Text
________________ 論證式が意味をなさないことを指摘する點で一致すると思われる。彼らは佛教の思想體系とニャーヤ・ヴァイシェーンカ の體系の相違を十二分に反論の中に生かして、高度に發達した思想體系を他の者が反論する場合の困難を浮き彫りにして いる。 3 佛教側の論證式の處理(アショーカ) 論證式の小前提の處理に明確な解答を與えた佛教徒がいる。從來の研究であまり顧みられることのなかったアショーカ である。彼の『全體の否定』(Avayavinirakarana サンスクリットのみ現存)はそれまでの知識論の傳統を受け、能遍と 對立するものの認識 (vyapakaviruddhopalabdhi) による論證式を示す。すなわち「(大前提)矛盾する屬性とのむすびっ きをもつものは単一でない。例えば、壺などの対象の ように。(小前提)青などの粗大なる對象は矛盾する属性とのむす びっきをもつ」。これによって「再等の粗大な對象は単一でない」が歸結されるわ け であるが、彼はこの論證式が非實在 の誤謬とならない點を強調する。 ここで、主題はいま現に知覺されている時などの粗大なる對象である。そしてその直接經驗によって確認された[對 象]は、拒斥するものがない限り、直觀的知見のレヴェルで成立し、證因が非實在の誤謬 (hetor asrayasiddhih) と なることはない。(反論)君たちは、全體が実在するとは主張していないではないか。[それなのに]どうして直観の レヴェルで成立するのか。(應答)ここで、主題は「全體」であるとの理解を示したわけではない。 そうではなく、 [主題は]いま顕現している粗大で再い等の対象である。(反論)それならば「矛盾する屬性とのむすびっき」から [「顕現している對象の単一性」が否定されはしても]「全體の単一性」は否定されないであろう。 アショーカは非實在の誤認に陥ることを懸念して、論證式の主題を直観的知覚のレヴェル で顯現する声などの粗大な對象 部分と全 六二七
SR No.269522
Book TitleBhava And Svabhava 01
Original Sutra AuthorN/A
Author
Publisher
Publication Year
Total Pages30
LanguageEnglish
ClassificationArticle
File Size3 MB
Copyright © Jain Education International. All rights reserved. | Privacy Policy