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________________ (4) No. 18 Report of the Japanese Association for Tibetan Studies March 31, 1972 って所を保持する法師に、また第九地において 種々の義に関する弁才を具えるを直接 に法を示する大法師 (maha-dharma-bhänaka) になるとされる。 それゆえ五地と第九地との間 において所聞の法の義を理解して忘失しない義陀 を獲得することがあって然るべきである。し かも第六第七の 文面では如来の法 を得ること、教の護持者となる旨が各々に説か れているが、それは所聞の法の義の獲得を前提と すべきものと考えられる。 したがって ADV の 文意とも相俟って組織的理解という点で は極めて適正なものであるといえよう。 最後は法師の基本的特性を示す文面系列中、最 終的段階にある第九地の山、すなわち「法の総持 と説示と得たものとなる」という文面についてで ある。この文面の趣意は第九地の全内容との連関 を考察することにより判明すると考えられる。 第 九地の内容の基本部分が法師の体系を示す文面系 中のそれを広説する性格をもち、また 法師の理想形態とその理念的性格を教理的背景を もって構想するものだからである。 さて第九地の ADV の解釈をして考察すると、 「大 法師たること (mahā-dharma-bhānakatva) を成じ 如来の法蔵を守護する」という文面が、 第九地全 体の基調となる理念を集約しているものとして 出しうる。それは ADV では 「法を説くものの 性」と「法を保つものの性」とを意味するとされ る。そして山はまさにこの意に頭に照応する ものであり、したがって大法師の成就を内容とす 第九地全体の意を要約明示するものであると 知られる。 以上の如く十地における法の体系は Tib, 訳 ADVによって補足的に理解をめぐらすと極めて 組織的なものとして判明してくる。なお詳しくは 他日を期したい。 どがある。 さて、秘密部経典の分類の立て方について、ま ずサキャ派の考え方を Kun dgah shin po の 『タ ントラ分類 Gyud sdehi rnam gshag, SK. Vol. サキャ派資料に基づく 秘密部経典の分類 ソナムギャツオ の『Kriya, Cary 両タントラの分類 Bya spyod チベットの地に仏教が広まって以来、ニンマ の二書に基づいて述べてみるならば、 “Kriya, 派、カギュ派、サキャ派、およびゲルク派の四つ Caryà, Yoga, Anuttara-yoga の四つとなる。さ 大宗派が次々と生じた。これらの それぞ Kriya, らに種姓(部)に基づいて分類するならば、 れは、 密教を完全に備えているものである Carya の両タントラに三種があって、 如米部、 が、その主張には少しづつのちがいがあり、秘密 蓮華部、金剛部となり、 Yoga-tantra には五種 部タントラに関しても、その分類の立て方のちが 宝部、蓮華部、羯磨部、金剛部 があって、如来部、 いが、かなりの程度あるようである。 の五つとなっている。 Anuttara-yogaには六つの 種姓(宝生・無量寿・不空成就・阿閦・大日・ 持金剛)がある。これら各種姓(部)についての細 Nor chen Kun dgah bzan po かい分類方法は 『Kriyā, Caryā 両タントラ分類』および、他宗 の grub rje の『タント のものではゲルク派mKhas rGyud sde spyi rnam cf. Fundamenラの総論 tals of the Buddhist Tantras translated from チベットに広まった秘密部タントラには旧密と 新密の二つの系統があり、旧密の方は、Chos rgyal Khrei sro Idebu btsan 時代に広まったもので Vimalamita や Nag の Jñānakumāra などによ って八世紀から九世紀までの間に翻訳された秘密 部経典から成る。これらの秘密部経典をすべて つめた上で、整理したものが、今日Ñin ma rGyud と呼ばれているものである (Tohoku, Nos. bum 828~844; Peking, Nos. 451~469)。 Wayman』 等にくわしく述べられている。 次に新というものは、後期仏教弘があって Atila, Lo chen Rin chen bzah po, hBrog から mi lo tsā ba Šã kya ye śes などの時に成立した 経典中に説かれるものである。ことに hKhon dKon mehog ngyal po Sa skya pa Kun dgab shin po の父子は hBrog mi lo tsā ba から Hevajra tantra と Gubyasamija 等の審教経典を学び、こ れによって協業を実践したので、 Sa skya pa 新宿の中心となった。 Sa skya pa は新密教 (gSan sńags gsar ma pa) とも道果のおしえをと くもの (Lam hbras pa) とも名付けられて、今日 至っている。その伝統に従う学者達のつくった 典も多数あるが、主なものをあげるならば、 いかなる理由に基づいて、四タントラに分類す るかというと、ま Kriyi-tantra は清浄沐浴等 の外面的な身・口の行を主として説くものであり、 修法の際には、行者自らを本尊と観想するのでは なく、本尊をあたかも国王のように想定してか ら悉地 (siddhi) をうけることを説くものである。 すなわち庶民が国に帰して、国王からわり ものをもらうように、行者が夫のままの状態で を変えることなく、罪をざんげし、国王のごと き本尊に請願をなして、最高の悉地をもらいうけ ると主張するものである。 Sa skya の五大祖師の全集 (Sa skya gon m Jnahi bKah bbum) Nor chen Kun dgah bzan po 全集、 Go ram bSod nams sen ge の全集な 次に Caryā-tantra は外面的な身・口の行と内面 的な三昧の行を等しく行して、行者自らを本尊と して観想し、目前に観想によって生ずる本尊その ものを友人のようにみなしてこれから悪をうけ ると主張するものである。 1, No. 1, 3』 及び Nor chen Kun dgah bzan po kyi rnam gshag, SK. Vol. 10, No. 134, 135』 Tibetan by Ferdinand D. Lessing and Alex
SR No.269269
Book TitleTibetan Studies In India
Original Sutra AuthorN/A
AuthorV V Gokhale
PublisherV V Gokhale
Publication Year
Total Pages8
LanguageEnglish
ClassificationArticle
File Size2 MB
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